コロナ禍における企業のX(Twitter)運用を考える(2020年)

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新型コロナウィルス感染症(COVID-19)(※以下:コロナウィルス)による社会的影響が増し、SNS担当者は公式情報の配信、SNSキャペーン実施の有無、投稿日程の変更など、対応に悪戦苦闘されていると思います。
一方でコロナ禍におけるSNS運用は、今後の災害時などの対応にも参考となるため、 当ブログではコロナ禍における企業アカウントのX(Twitter)投稿をまとめました。

コロナウィルスの主な情報とSNSへの影響

2020年新型コロナウイルスの影響により、行政や地方自治体の要請が日々変化し、短期間で状況が何度も変わる事態となりました。そのため、企業のSNS運用にも影響が及び、オーガニック投稿を自粛する企業アカウントが徐々に増えていったように思います。
特に、来店・来場型のビジネスでは、行政の指示に従い営業時間や営業方針を頻繁に変更する必要がありました。その結果、最新情報を連続して発信し続ける企業アカウントも見られました。一方で、こうした状況下においても、SNSならではの楽しい投稿を続けるべきか、多くの企業が試行錯誤を重ねていたことがうかがえます。

コロナウィルス関連の主な情報を振り返る(2020年上半期)

3月11日:選抜高校野球の中止

3月24日:東京オリンピック延期決定

3月26日:埼玉県知事、東京行き自粛要請

3月27日:小池都知事定例会見「週末外出自粛要請、平日は自宅勤務 花見など控えて」

3月29日:志村けんさん死去

3月30日:小池都知事緊急会見「夜の接待飲食店は避けて」

4月7日~5月15日:非常事態宣言

4月17日:「緊急事態宣言」全国拡大し「特定警戒」13都道府県を発表

5月4日:緊急事態宣言の延長を発表

5月21日:大阪、京都、兵庫の「緊急事態宣言」解除

5月25日:緊急事態宣言 全面解除(1都3県と北海道)

5月26日:東京都が段階的緩和の「ステップ1」に移行

6月1日:東京都が段階的緩和の「ステップ2」に移行

6月2日:東京都が「東京アラート」を発動

6月11日:東京都が「東京アラート」を解除

6月12日:東京都が段階的緩和の「ステップ3」に移行

菓子メーカー「#おかしつなぎ」「#コロナに負けるな」でX(Twitter)キャンペーンを実施

春のSNSキャンペーンシーズンに入り、SNS担当者はX(Twitter)をキャンペーンの実施を迷う事態だったと思います。

この事態を逆手にとった菓子メーカーでは、企業の垣根を超えてお菓子のプレゼントキャペーンを実施しています。自宅に居ることが多くなった方々への温かい企画になったと思います。

事例:チロルチョコ

>>参考:  チロルチョコ(@TIROL_jp) 2020年4月15日投稿

4月5日にチロルチョコから始まった試みであるX(Twitter)キャンペーンで、「#おかしつなぎ」というハッシュタグをつけてキャンペーンが実施されています。
応募方法も簡単なSNSキャンペーンの基本スタイルの「フォロー&リツイート」キャンペーンですので、そのお菓子メーカーの公式アカウントのフォロワーになり、そのプレゼント情報の投稿をリツイートすることで応募完了です。

投稿イメージ:チロルチョコ公式アカウント投稿イメージ

トレンドの#ハッシュタグで投稿

#エア花見

外出自粛が推奨される中、実際にお花見には行かず、室内でネット上に公開された桜の画像や動画を楽しむことを目的としたハッシュタグです。各地のお花見スポットや観光協会も「#エア花見」の投稿を多く発信していました。

これらの投稿には、コロナ禍が落ち着いた際に「実際に訪れてみたい」と思ってもらえるような願いが込められていたようです。

事例:花博記念公園鶴見緑地【公式】

>>参考:  花博記念公園鶴見緑地【公式】(@turumi_ryokuchi)2020年4月15日投稿
大阪市にある花博記念公園鶴見緑地の公式X(Twitter)アカウントでは、お花見シーズンに園内の桜の投稿をしていました。内容も室内にいるユーザーに向けて発信しています。画像の八重桜がハートの型なのも粋なはからいです。

投稿イメージ:花博記念公園鶴見緑地、公式X(Twitter)より。「見に来てください!と言いたいところですが」という一文にコロナの厳しさを感じます。

StayHome、#stayhome、#StayInside

コロナウィルスの感染拡大を防ぐために自宅にいようという運動のもと、国内外で活用されている#ハッシュタグです。

事例:ドミノ・ピザ

>>参考:  ドミノ・ピザ(@dominos_JP)2020年4月17日投稿

自宅での滞在時間が増えたこともあり、ピザを注文するも余ってしまった場合にどのように保存するか、冷凍方法をTickTockの動画で投稿しています。
またハッシュタグとは関係ありませんが、コロナ対策をした配達の受け取り方法についても投稿していました。

投稿イメージ:ドミノピザ公式X(Twitter)より。コロナに関係なく、今後も残ったピザの保存方法として参考になりました。

うちで過ごそう、#お家ですごそう、#お家にいよう

「#StayHome」の日本語版で、コロナ感染を避けるためできるだけ自宅で過ごすそうという呼びかけに活用されています。ちなみに東京都では「#おうちにいましょう」を掲げています。

事例:スズキ株式会社・四輪公式アカウント

>>参考:  スズキ株式会社・四輪公式アカウント(@suzukicojp)2020年4月17日投稿

自動車メーカーのスズキでは自宅で過ごすファミリー向けに、塗り絵を提供しています。一般ユーザーからコメントで、他の車種を指定されるなど、意外と大人が楽しんだ投稿だった様に見受けられます。

投稿イメージ:スズキ株式会社、公式X(Twitter)より。少しでもお家時間を楽しんでもらおうという投稿ですね。

「中の人」で有名なX(Twitter)企業アカウントの投稿状況

X(Twitter)で有名な「中の人」が運用している企業アカウントの投稿では、フォロワーやファンに近い目線での投稿や、今思うことなどの人間味のある投稿していました。「中の人」の手を止めることのない投稿頻度と、コメントへの対応力については、称賛の拍手をおくりたいほどです。

事例:SHARP シャープ株式会社

>>参考: SHARP シャープ株式会社(@SHARP_JP)
 2020年4月20日投稿
 2020年4月21日投稿
 2020年4月21日投稿

シャープは、アカウントのプロフィール画像(アイコン)を「お家にいよう」というメッセージを想起させるデザインにいち早く変更し、その迅速な対応に驚かされました。また、コロナ禍においても一般ユーザーからのコメントに丁寧に対応し続けていた点も印象的です。
当時、深刻なマスク不足が社会問題となり、ドラッグストアには長蛇の列ができるほど入手が困難な状況でした。そんな中、シャープはマスクの生産を開始し、X(Twitter)で製品の告知を行いました。さらに、注文が殺到し販売サイトにアクセスが集中する中でも、「中の人」の言葉で投稿を続け、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に図っていました。。

投稿イメージ:SHARPシャープ株式会社、公式X(Twitter)より。2020年はマスクが不足してドラッグストアに行列を作るほどでした。

事例:キングジム

>>参考:  キングジム(@kingjim)2020年3月31日投稿

毎年4月1日のエイプリルフールには、多くの企業アカウントがユーモアあふれる投稿を行います。しかし、キングジムはコロナ禍の状況を考慮し、今年はエイプリルフール企画への不参加を表明しました。
さらに、その意向を伝えるための画像(クリエイティブ)の転用を許可したことで、多くの企業が同じ画像を活用し、不参加の意思を表明。人気アカウントが率先してムーブメントを生み出した瞬間でした。
エイプリルフールには不要な嘘はつきませんが、キングジムの公式アカウントは通常の投稿を継続。絵文字を駆使した楽しい投稿も発信しながら、柔軟なSNS運用を続けていました。

投稿イメージ:キングジム、公式X(Twitter)より。紛らわしい嘘の投稿は控えようとう英断だったと思います。

営業時間・休業などの状況のお知らせ

公式情報として、商品の生産状況や営業時間の変更はSNSアカウントを開設している場合は、SNSの拡散力を利用して一般ユーザーに公式情報をお知らせすることをお勧めします。
また、コロナ禍における事業停止などにより利用できなくなったサービス(前売りチケットなど)のキャンセル方法や、救済措置なども投稿することをお勧めします。

多言語に及ぶユーザーが対象の場合は「やさしい日本語」投稿をしましょう。

サービスによっては日本在住の外国の方々へメッセージを送る必要がありますが、多言語に翻訳する時間がない場合は、やさしい日本語で公式情報を発信しましょう。

事例:すみだ北斎美術館

>>参考:すみだ北斎美術館(@HokusaiMuseum)
 2020年4月3日投稿
 2020年4月10日投稿

浮世絵美術館として有名な、すみだ北斎美術館のX(Twitter)アカウントでは、所在地である墨田区にて、施設の停止が定められたことにより臨時休館することになったことを投稿しています。また、「#疫病退散」を祈って魔除けの絵画作品を再投稿しているなど、貯蔵作品の豊富さを感じさせ、興味深い投稿もしています。

投稿イメージ:すみだ北斎美術館、公式X(Twitter)より。貯蔵している作品からタイムリーな北斎の作品を投稿しています。時勢に合わせる運用は心がけたいですね。

事例:スターバックス コーヒー

>>参考:スターバックス コーヒー(@Starbucks_J)
 2020年4月11日投稿
 2020年4月8日投稿

スターバックス コーヒーは、営業時間の短縮についてX(Twitter)で発信しました。全国に店舗を展開しているため、詳細は公式Webサイトで確認できるよう案内しています。
また、別の投稿では、クーポンや販売済みのドリンクチケットの有効期限延長を発表。外出が難しい状況に配慮した救済措置として、多くのユーザーに寄り添う対応を行っていました。

投稿イメージ:スターバックス コーヒー、公式X(Twitter)より。ドリンクチケットの期限延期はとてもユーザーに寄り添った措置だっと思います。

UGCイベントを利用して一般ユーザーと交流

「#おうち時間」を利用したイベントを実施している企業アカウントも出てきました。
企業アカウントからお題を出して、一般ユーザーからの投稿(作品)を募るSNS上でのUGCイベントを実施し一般ユーザーと交流している企業アカウントが増えてきています。

事例:サクラクレパス【公式】

>>参考:  サクラクレパス【公式】(@1921_SAKURA)2020年4月20日投稿

クレヨンのパッケージデザインの一部分に居たはずの動物を探しているというお題に、一般ユーザーは「#クレパスのアレさがしています」というハッシュタグをつけて、お題に対する答えを投稿するUGCイベントが開催していました。

お題に対するアンサー投稿をしやすくするため、塗り絵用の線画も投稿されているので、一般ユーザーはそれに色付けしたものをリプライ投稿してもいいですし、自身で撮った写真などを投稿してもよいので参加しやすく、ユーザー層である子供たちと親世代をねらったイベントです。

投稿イメージ:さくらクレパス、公式X(Twitter)より。学校に行けない子供たちと親たちの頭を悩ました時期でした。

ネット会議用の背景画像を配布「#バーチャル背景」

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが推奨され、自宅からWeb会議を行う機会が増えました。特に、「Zoom」や「Google Meet」などのツールでは、自分の映る背景を好きな画像に変更できる機能が話題に。こうした流れを受け、企業アカウントがX(Twitter)やInstagramで、おしゃれなバーチャル背景画像を提供する動きが広がりました。

事例:LIXIL(リクシル)公式

>>参考:LIXIL(リクシル)公式(@lixil_official)
 2020年4月9日投稿
 2020年4月10日投稿
 2020年4月14日投稿

建築材料・住宅設備を手がけるLIXILの公式X(Twitter)アカウントでは、ショールームやカタログに使用されているクリエイティブ画像を「バーチャル背景シリーズ」として提供。複数回にわたり投稿を行いました。スタイリッシュなインテリアを背景にWeb会議ができ、実用性と遊び心を兼ね備えたトレンドにマッチした投稿です。

投稿イメージ:LIXIL(リクシル)、公式X(Twitter)より。こんなに美しい家には住むzがむずかしいですが、リモート会議で違和感のない背景画像の配布はイキでした。

事例:日産自動車株式会社

>>参考:日産自動車株式会社(@NissanJP)
 2020年4月17日投稿
 2020年4月17日投稿

自動車メーカーの日産は、車ファンに喜ばれる高品質なクリエイティブ画像を使用してバーチャル背景を投稿しました。また、大人向けに往年の車種の貴重な映像を公開するなど、スマートフォンひとつで「#おうち時間」を楽しむためのコンテンツを積極的に発信していました。

投稿イメージ:日産自動車株式会社、公式X(Twitter)より。スタイリッシュな車の背景は、思わず使ってみたくなります。

事例:アドベンチャーワールド 公式

>>参考: アドベンチャーワールド 公式(@aws_official)
 2020年4月17日投稿

和歌山県にあるアドベンチャーワールドの公式X(Twitter)アカウントでは、コロナウイルスの影響で臨時休園中のため、SNSを活用して積極的に情報を発信していました。休園中の動物たちの動画や、動物の大きさを使ってソーシャルディスタンスを表現するなど、ユニークで面白い投稿が続いています。
バーチャル背景では、園で人気の動物のベストショットを提供し、ファンとのつながりを大切にしていました。

投稿イメージ:アドベンチャーワールド 公式X(Twitter)より。動物の背景はフレンドリーな雰囲気になるので、幅広いユーザーが使えると思いました。

まとめ:災害時のSNS運用ですべきこと

今回はX(Twitter)を中心に、コロナ禍における企業アカウント事例をまとめさせていただきました。投稿プランやSNSキャンペーンの実施など、変更せざるを得ない状況化で、SNS運用の参考となる傾向が見受けられました。

(1)公式情報を投稿

商品生産の遅延や、会場の休館による営業時間の変更、緊急事態における利用期間調整など、 ユーザーやファンに知らせておくべき情報は、Webサイトと並行してSNSの拡散力を利用して投稿しましょう。

(2)コンテンツ調整(投稿プラン)

ストックしていた投稿内容の見直しをし、困難時期にフィットしてるかどうかをチェックしましょう。

業界の垣根を超えた運動や呼びかけに関する#ハッシュタグが出てきますので、そのテーマに沿った投稿に出来る限りシフトしましょう。

(3)企業アカウントは一般ユーザーに寄り添いエールを贈るイメージを忘れずに

これを機に「バズる」ことを意識したいところですが、一般ユーザー(フォロワー、商材ファン)に寄り添う投稿方針をベースにし、緊急事態を真摯に受け止め明るい応援メッセージとなる投稿を続けましょう。

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