スマートフォンの普及と併せて、多くのゲームアプリがリリースされ有名タイトル「パズドラ」や「モンスト」などが大ヒットして4、5年が経過しています。スマホゲームアプリのユーザーは、自分が好きなタイプのゲームを更に探求し新しいゲームに乗り換えてプレイするため、ユーザーだけでなくゲームの種類も多様化が進んでいます。
多様化する中、多くのゲームユーザーに興味を持ってもらい、かつファンとして長く利用してもらうために、運営側がSNSをどのように活かして行くべきかを事例とあわせてご紹介します。
アプリゲームが増えゲームのコモディティ化は進んでいる
「コモディティ化」とは、ある分野の商品が一般化され広まったことを指し、より広まったことで価値が下がり、ブランド力に大差がなくなる状況を指します。
2017年の国内ゲームアプリ市場規模は1兆580億円となり、市場規模が大きくなる状況下で、例えば「ポケモンGO」や「ツムツム」などのように、ゲームに興味がなかった層でもプレイしやすいゲームが登場しました。スマホの普及はゲームアプリの裾野を広げ、より新しい層への開発が進み、「コモディティ化」も平行して進んでいると言っても過言ではない状況です。
スマホを片手に、一人でプレイするユーザーにとって、突然エラーが表示されたときの解決方法や、課金したのにツールが手に入らないなど、多くの思いを共有し確認したい場合に、助けを求めるタイミングがあります。
その際に、運営側が何をすると付加価値を付けることができるのか、またファン化に導けるのかを確認したいと思います。
>>参考: コトバンク 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
「コモディティ化」
>>参考: 『ファミ通ゲーム白書 2018』が発刊 国内ゲームアプリ市場は初の1兆円超え Switchの貢献で家庭用も盛況 世界のゲーム市場は2割増の10.89兆円に (2018/06/11)
カスタマーサポートとは別にコミュニティを欲するゲームユーザー
ゲームユーザーには情報や感動の共有ができる「コミュニティ」が必要になります。
Webサイト→コアファン(伝えたい・教えたい)
Webサイトのゲーム情報プラットフォームで、ゲームの最新情報を閲覧したり、投稿したりする方も多いのではないでしょうか。 コアファンによるゲームの紹介や、問題点、攻略方法は、もはや制作側のメンバーではないかと思うほどの熱量です。
掲示板やクチコミ投稿ができるWebサイトではユーザー登録が必要とされるためライトユーザーは腰が引ける可能性がありますが、コアファンは労をいとわず進んで登録し、情報を投稿するようです。
事例:GameWith
>>参考: ゲームウィズ – 日本最大級のゲームレビュー・攻略サイト
ゲーム情報のプラットフォームです。とても分かりやすくゲーム情報を提供しています。
人気のあるスマホゲームのコミュニティもあり、ユーザー登録することでコミュニティに参加も可能で、ゲームの感想など投稿できます。

X(Twitter)→ライトファン(様子を見たい・知りたい)
ライトユーザーや興味のあるユーザーは手軽にプレイしているゲームの情報を得られるSNSを利用するようです。X(Twitter)社の公式Webサイト(マーケティングブログ)で公開している昨年2019年3月公開のデータによると、X(Twitter)を利用していない方のゲームアプリ利用率は42%ですが、X(Twitter)ユーザーのゲームアプリ利用率は66%と非常に高い割合だということです。
また、X(Twitter)ユーザーのほうがゲームアプリ利用時間が長く、さらには利用しているゲームアプリ個数も多いという結果が出ています。
>>参考:Xブログ(マーケティング)
Twitterにはゲーム好きが集まる

また、日本でX(Twitter)ユーザーが多いゲームアプリは、
Fate/Grand Orderde(フェイト・グランドオーダー) で、ゲームユーザーの9割はX(Twitter)を利用しているそうです。さらにゲームユーザー数1200万人を突破した「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」ではゲームユーザーの88%がX(Twitter)を利用しているそうです(2019年3月X(Twitter)発表より)。

事例:Fate/Grand Order(フェイト・グランドオーダー)
>>参考: 【公式】Fate/Grand Order(@fgoproject)
投稿にはメンテナンス情報、記念イベント情報はもちろんですが、Tips投稿を定期的に発信しており、初級ユーザーにはありがたいゲームプレイに役立つ豆知識となるコンテンツが紹介されています。

X(Twitter)が好まれる理由
- 匿名性でアカウントを開設できる。
- タイムリーな情報把握ツールとして利用できる。
- #ハッシュタグで共通情報の検索が簡単。
ゲームはプライベートで楽しみたいものなので、匿名でアカウントを得ることができ、最新情報とトレンドを確認できるため、X(Twitter)はゲームユーザーに親和性が高いSNSとなっています。
また#ハッシュタグをゲーム公式アカウントが指定している場合は、他ユーザーの投稿も検索しやすいので、X(Twitter)上に仲間の存在を感じることもでき、ゲームユーザーの高揚感と共有感を支えるものとなっています。
コアなファン(常客)がライトユーザーをけん引する
以前は攻略本ががありましたが最近では出版されていないため、まず最初に問題解決のため情報を得ようとX(Twitter)やWebサイト(情報プラットフォーム)を検索します。いよいよ分からない状況になってカスタマーサポートにメールを出すなどのアクションに進みます。
筆者の経験ではありますが、検索した情報の中で同じようなこと経験したコアファンのやり取り(投稿)を参考に、設定をし直す必要があるという不具合情報に辿り着いた時には、安堵した覚えがあります。ビギナーとしては、ありがたかったことを思い出します。
コアファンからのコメントが、コミュニティとして成長させる
ゲームが盛り上がるほど、X(Twitter)の公式アカウントにゲームユーザーからコメントが投稿されます。 有名ゲームのX(Twitter)アカウントの中には、多くのファンの声が掲載される掲示板化されているものを多く見かけます。それらの投稿は豊富なコンテンツなりコミュニティとして成長させて行きます。
- 自分が達成した際のスクリーンショット画像
- ゲームへの分かりづらい点についてのご意見
- プレイ中の不具合を報告
- ゲームのキャラクターのイラスト画を投稿(2次創作)
- 開発者への感謝や応援
など
事例:モンスターストライク公式(モンスト)
>>参考: モンスターストライク公式 (@monst_mixi)
ガチャ開催の告知投稿には多くゲームプライヤーからのコメントが付き、コアファンから開発チームへ機能追加のお願い投稿や、ツッコミツ投稿など、ゲームユーザー同士の活きた掲示板となっています。

公式X(Twitter)アカウントによるコミュニティ構築のポイント
ロードマップ策定時に公式アカウントの運用も加える
ゲームの配信前には、ニコニコ動画やYouTubeでプレイ動画を公開するなど、さまざまなプロモーションイベントを企画されるかと思います。その際、ぜひX(Twitter)公式アカウントの開設もご検討ください。
X(Twitter)では、配信開始までのカウントダウン投稿や、事前登録者向けのガチャキャンペーン告知など、ユーザーの期待感を高める施策が可能です。ほかのメディア戦略とあわせて活用することで、より多くのユーザーに情報を届けることができます。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
公式アカウントの基本方針は「コミュニティのコンシェルジュ」
ゲームのキャラクターが語るスタイルでの投稿や、運営側の社員が「中の人」として投稿することで、ただのお知らせ掲示板になることを避けることができます。
メンテナンスやイベント情報などの公式アナウンスのみを別アカウントで配信し、面白い情報のみを投稿するアカウントと切り分けて運用することも可能です。
他メディアでの動画配信情報の拡散、ゲームの制作現場からの声や、ゲームに紐づいた情報を定期的に投稿するなど、伝えたいことを計画し投稿カレンダーの準備が必要です。
ゲームタイトルの全てをハッシュタグにすると長くなるため、キーワードとなるように短縮形にしたものを用意することも可能です。理解の早いゲームユーザーは、そのハッシュタグを取り入れて投稿しますし、そのハッシュタグをタップするだけで関連した投稿を検索することも簡単になります。
前段であげたように、二次創作でゲームキャラクターのイラストをプロ並みに作成して投稿したり、ゲームのプレイ結果をスクリーンショットで投稿したり、ゲームのバグについて投稿したりと、ゲームファンはX(Twitter)などのSNSやWeb系の掲示板・コミュニティに自身の思いを共有します。
これらのコアファンの投稿がX(Twitter)で発見された場合に、公式アカウントからお礼や挨拶、もしくはリポストや「いいね」でリアクションすることをお勧めします
事例:パズル&ドラゴンズ公式
>>参考: pad_sexy パズル&ドラゴンズ公式(@pad_sexy)
運営の広報担当者が語る公式アカウントです。
すでに「パスドラ」と略称で認知されているほどの人気のパズルRPGです。ゲーム内のモンスター獲得と、育成とダンジョンクリアがベースとなるゲームです。ユーザー数が多いため1投稿につきリプライが多く、X(Twitter)上で公式アカウントから全てにコミュニケーションは取れない状況のようですが、ファンの独り言や、厳しいご意見など投稿されていて、コミュニティが成り立っているアカウントとして見習いたい事例です。

まとめ:ゲームのコミュニティの一つとしてX(Twitter)を取り入れてはいかかですか。
多くのコアユーザーが投稿する攻略情報や最新情報の共有は、すでにライトユーザーにとって有益なコンテンツとなっています。こうした情報が蓄積されることで自然とコミュニティが形成され、さらなる拡散につながり、より多くの関心を集めることができます。
このようなコミュニティに、X(Twitter)などを通じてユーザーが気軽にアクセスできる環境を整えることは、運営側にとって他のゲームとの差別化を図る重要なマーケティング施策のひとつです。
現在、多くのスマホゲームがX(Twitter)公式アカウントを活用し、ユーザーとの交流を深めながらコミュニティを形成しています。こうした事例を参考にしながら、ぜひゲーム配信時のマーケティングプランに組み込んでみてはいかがでしょうか。
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